理事長挨拶
令和5年より理事長を拝命いたしております松本歯科大学総合歯科医学研究所の増田です。よろしくお願いいたします。
近年、教育現場では「生きる力」を育むことが大切だと考えられています。新学習指導要領では、「生きる力」を「知・徳・体のバランスがとれた力」と定義しています。具体的には、知は「確かな学力」、徳は「豊かな人間性」、体は「健康・体力」を指しており、学校生活でそれぞれの力をバランスよく育てていきたいという意味です。
この「生きる力」を育み維持させることで、すべてのライフステージの方が健やかに過ごすことに繋がると思います。そして「生きる力」には咀嚼が重要な役割を持っています。健全な口腔機能を保ち、「よく噛んで食べる」を実践することで、食べ物に関する情報や知識を意識する(「確かな学力」)ようになり、美味しく・楽しく食べることで、一緒に食べる人とのコミュニケーション(「豊かな人間性」)が保たれます。そして、何より栄養バランスの取れた食事を行うことで、健康な身体を保つ(「健康・体力」)ことができます。
本学会では咀嚼機能の研究を深め、多くの方に咀嚼機能を正しく理解してもらうように、活動を続けています。良好な咀嚼機能を維持・向上することが国民の健康寿命延伸に役立つと信じています。
なお一層のご理解とご支援を、よろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人日本咀嚼学会
理事長 増田 裕次